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三好春樹先生の「関係障害論」的アプローチを考えてみる (その1) [障害者として生きる]

三好春樹先生の「関係障害論」的アプローチを考えてみる (その1)


三好春樹著「関係障害論」は着想が斬新で、非常に含蓄(がんちく=深い意味)に富んだ素晴らしい考えです。今回このアプローチ法を紹介しながら、リハビリのあり方を考えてみたいと思います。この本を教科書にリハビリや人間関係というものを考えるシリーズです。まず三好理論をご紹介します。


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これまでリハビリと言えばまず「個体(身体)」に対するアプローチが先で、関係(人間関係)はこれにプラスされるものです。式に直すと次のようになります。


      人間 = 個体 + 関係


例えば個体(身体)が100で関係が0の場合トータルで人間は100となるという事です。従ってリハビリのアプローチはまず身体のアプローチで、その後もそれに限定されることが多い。


これに対して三好理論では次のように考えます。人間は、関係の中でこそ存在する個体(身体)であるとの考えです。式に直すと次のようになります。


人間 = 個体 × 関係(家族的関係 × 社会的関係)


なお、三好理論による人間関係とは図-1の様に「家族的関係」と「社会的関係」です。


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個体が100回復しても、人間関係が消滅していて0ならトータルは0です。だから個体が重症であればあるほど関係を豊かにしようとするアプローチです。個体が10なら関係を10にすることでトータル100を獲得しようとするアプローチです。考え方として非常に面白いまさに「目からウロコ」でした。


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普通、身体に障害を持てば、まず身体を元通りにしてそれから関係を積み上げようと考えます。体を治して、職場に復帰して職場の人間関係を回復するというのが普通の考えでしょう。リハビリ室のセラピストたちもそう考えているでしょうし、それに基づくリハビリ・アプローチ方法でもあると思います。


それから、少し進んで日常の生活を容易にするための「生活リハビリ」に取り組んでいくことになる。これで「家族的関係」はずいぶんよくなると思われますが、問題は「社会的関係」です。


我々脳卒中片麻痺の場合、慢性期に入ると身体機能の改善は極度にスローペースになります。いわゆる「年単位の回復」です。しかしこの身体の完全回復を待っていては、社会的人間関係の回復がどんどん遅れ、やがて消滅さえしてしまう。


それで体が少々不自由でも社会的人間関係を回復するために「目標指向型リハビリ」をどんどん取り入れるアプローチ法が必要になります。このブログでも何度も取り上げました。例えば友達に会いに行く目標を立て、階段や坂道、電車やバスの乗り方など訓練するやり方です。「閉じこもり」を脱してどんどん外に出ていく必要があるのです。

人間を回復するために個体(身体)に対する機能回復のために限定したリハビリでなく、人間関係を回復するため「目標指向型リハビリ」が重要であるという考え方です。

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脳の損傷部位と程度は人それぞれです。例えば数値で考えますと(人間回復 表-1)、「現状」身体機能が、今50程度でも、社会的人間関係が10から30まで伸びてきた。家族的関係は80とすると、

・現状 50×80×30=120,000です。


これを目標値として身体55、家族80、社会的関係50と設定しますと、

・目標値55×80×50=220,000


となり飛躍的に「人間」が回復した結果になります。


ようは、回復の遅いところはそれなりに、得意な所を伸ばすアプローチでトータルを飛躍的に増加させる方法です。


もちろん関係等どれも簡単に数値化できませんが、考え方として、このようなアプローチ方法は非常に重要なポイントを指し示していると思います。


長くなりましたので続きは次回にします。


それじゃ~また。


関係障害論 (シリーズ 生活リハビリ講座)

関係障害論 (シリーズ 生活リハビリ講座)

作者: 三好 春樹

出版社/メーカー: 雲母書房

発売日: 2000/07

メディア: 単行本


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